バンコク高校教師
2023年12月07日
それだけは覚えていたんだね
みなさんおはようございます
突然ですが、みなさんは大学の時に
第2外国語は何を選択されてましたでしょうか。
私が大学に通っていた35年ほど前は、
ドイツ語を履修する学生が多かった記憶があります。
もちろんそれは、英語に馴染みがある者としては、
比較的学びやすいという理由が第1であり、
ドイツ文化が好きだからなんてドイツ贔屓な学生は
少なくとも僕の周りには一人もいませんでした。
それに比べれば、タイの高校で日本語クラスを選択する生徒というのは、
もちろん全員というわけではないですが
アニメやコスプレが好きだから、日本に旅行に行ってみたいから、
と、あの頃の私たちに比べると、可愛い理由を持っている子も多いです。
実際、夏休みに、家族と日本旅行に行ってきたなんて生徒もいるぐらい、
今ではタイ人にとって日本という国が、ずっと身近になってきたとも言えます。
しかし、私がこの学校に赴任したての15年前は、
まだまだ日本というのは遠い存在であり、
それこそ、生徒たちにとっては、
日本語スピーチコンテストの全国大会で優勝しないと
行く機会もない、そんな「夢の国」でもありました。
そんな時代に日本語クラスで勉強していた、ひとりの女の子。
その生徒とは、在学時代からよく話をしていて、
彼女が卒業してからも、彼女のSNSを通じてたまにやりとりする、
という関係がうっすら続いていました。
その彼女が、先日「ついにこの場所へ」という文言とともに、
自身のSNSに大阪道頓堀の前で微笑む自撮り写真をあげていました。

彼女にDMを送ると、早速
「先生と勉強した言葉を使う国にやっと来れましたー」
と返信がありました。
そんな彼女、勉強した日本語はずいぶん忘れちゃったけど、
それでもはっきりと覚えている言葉があったので、
うれしくて毎日使ってたというのです。
それが
「ikuradesuka」
コンビニでもレストランでも、
むこうが先に「ー円になります」と言ってくるので、
本当は使う必要のない疑問文だとは思うのですが(笑)。
まあそれはご愛嬌。
なんにせよ、
高校の時とは見違えるぐらい美しくなった彼女が
ちょっぴり恥ずかしそうに、
「ikuradesuka」
と言っている姿を想像すると、
なんだかほっこりした気持ちにもなるのでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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2023年12月04日
生徒も先生も・・
みなさんおはようございます。
「もう12月?早いねー」
なんて声があちこちから聞こえてくるこの時期。
こちらタイは12月にはいるとともに、5日の父の日、10日の憲法記念日と
祝日が待ってくれています。
今年は、5日が火曜日ということもあり、
今日、4日の月曜日は、「生徒たちを家族と一緒に過ごしてもらおう」
というスローガンのもと、「オンライン授業」
ということになりました。
ま、もちろんがっつり教えることなんかはせずに、
出席だけとって、簡単な課題でもあたえてお茶を濁すつもりなので、
先生も生徒も実質4連休というのが本当のところ。
この記事を書いているのが金曜日の午後なのですが、
この四日を利用して実家に帰省するために、
早退される先生たちの姿もチラホラ見られます。
今日はきっとどっかの田舎からオンライン授業をされるのでしょうね。

連休前の金曜日の午後というのは、
学校中がなんだか浮き立った雰囲気が漂っていて、
別段どこに行く予定がない私も、つられて嬉しい気持ちになったり・・
と書いてるそばから、
隣の職員室から、カラオケに興じる先生たちの楽しそうな声が聞こえてまいりました。
噂では新校長から、「就業時間が過ぎても校内ではカラオケ禁止」
のお達しがでたと耳にしたのですが、
どうも、その校長もこの休暇を利用してどちらかに出かけられるようで、
もう校内にいらっしゃらないとのこと。
鬼のいぬ間に洗濯ってやつですな。
生徒は先生の目を盗んで校則を破り、
先生もまた校長の目を盗んで・・
と、やはり憎めない学校なのであります。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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2023年11月30日
伝説の証人
みなさまおはようございます。
みなさんが学生だった頃を思い出していただきたいのですが、
おそらく、どこの学校にも、先輩や先生から伝わってきた、
学校にまつわる怖い話というものが存在したと思います。
本校にももちろんその類の話はあるわけなのですが・・
先日、中3の授業をしていた時のことです。
今年の中3の生徒は、人懐っこい子が多く、
こんな外国人のおっさんにも果敢に話しかけてくる生徒もいて、
それはそれでうれしく感じております。
で、この前なんですが、その中のひとりの生徒が、
「先生、この学校に伝わる怖い伝説って知ってる?」
と言ってきました。
その手の話に目がない私は、
授業中にもかかわらず、「聞かせて〜」とお願いしたところ、
その生徒、語り口調も怪談師風に、
「これは、本当に起きたことかどうか誰も知らないんだけどね・・」
とこんな話を聞かせてくれました。

「この学校の横に高いビルが建ってるでしょ?
ある日、あのビルから男性が飛びおりたんだって。
で、どこに落ちたと思う?
それがね、ちょうどお釈迦さんの像のところだったんだって。
まあ、本当かどうかは誰も知らないんだけど・・」
と出だしと同じフレーズでまとめてくれた彼女に
「先生知ってるよ、だってその遺体の写真見たもん」
と思わず口走ってしまった私・・
実は、私がこの学校に赴任したての15年ほど前、
その事件があったのはまぎれもない事実で、
検死に来た警察官の娘が、本校の生徒だったこともあり
「お父さんからもらったぁ。見る?」
って、頭部がスイカ割りのスイカのように変わり果てた
男性の亡骸の写真を横流ししていたのも、またまぎれもない事実(笑)。
でも、確かに、あの頃学校にいた先生たちはほぼ皆定年を迎え、
あの事件を知っている人間は私を含め数人しかいないを考えると、
その事実がすでに「伝説」化していてもおかしくはないですな。
あの男性がお釈迦様の前で朽ち果てたのも、この生徒が生まれる前。
願わくば成仏してどこかに生まれ変わり、
今世は寿命を全うしていただきたいものです・・
最後までお読みいただきありがとうございました。


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2023年11月27日
こちらの芝生の方が青かった
みなさまおはようございます。
こちらの前記事でも書きましたが、
13年間いっしょに働いてきたボー先生が
先週水曜日に異動となりました。
タイの学校では、異動先の遠さにもよりますが、
仲の良かった先生たちがこぞって、
異動先の学校まで送り届けるというのが通例となっています。
タイの学校では、先生が新しい学校に赴任する初日は、前学校の車で仲の良かった先生たちが送り届けるという儀式があります。
— バンナー星人 (@berialshunnya) November 22, 2023
前学校でこれだけ愛されていた先生なんだな、ということも目に見えてわかる、なんだか素敵なシステムですね。というわけで
私も長年一緒だったボー先生を送り届けます😭 pic.twitter.com/xdmB2YTlUZ
さて、このボー先生の異動先となった学校というのが
ドンムアン空港にほど近い、タイ空軍の管轄内にある
生徒数3500人以上というマンモス校。
なんでも、高校1学年に18クラスもあるということなのですが、
学校の敷地もまた、その生徒数を十分に抱えきれるぐらい広大。

同じ公立学校といえど、
夜の繁華街である、ラチャダー通りに面し、
車がすれちがうことができない正門は
ちょっとした豪邸に負けてしまうほどの作り。
狭い敷地にぎっしり建てられた5つの校舎に囲まれるように
テニスコートほどの校庭と、バスケットボールコートでには、
休み時間に芋の子を洗うように生徒が溢れている・・
そんな窮屈な本校を嘲笑うような学校の様子を
最初は羨望の眼差しで見ていた先生たちだったのですが・・
そのうち
「でも、この校舎からあの校舎まで遠すぎない?」
「教室移動もバイクが必要じゃない?」
「てか、そもそも外に出てセブンにも行けないってこと?」
「やだ、髪も洗いに行けないじゃない?」
と、出るわ出るわ・・
帰りの車の中では、すでに
「なんやかんや言って、うちの学校にいる方がサバーイ(楽)そうね」
と話がまとまっていました。
外国に住んで日本を外から眺めると、
自分の国の良さがわかるようになる、とはよく言いますが、
それと同じく、期せずしてうちの学校の良さを再確認したということ。
(その内容が、生徒のクオリティーではなく、立地の良さだけってのがあれですけど・・)
さて肝心のボー先生、
仕事が早くかつ正確な、いわゆるできる先生だったのですが、
「要領よく」サボることも上手で、
そういうところも僕とウマがあっていたんですよね。
環境が変わって、しばらくは大変でしょうけど、
ま、彼女のことなので、置かれた立場でうまくやっていくことでしょう。
なにわともあれ、
ボー先生の新生活に幸あれ!!
最後までお読みいただきありがとうございました。


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2023年11月23日
弁当じいさん
みなさまおはようございます
最近、日本のニュースを読むたびに目にする
円安という言葉。
長らくバーツ生活をしていても、暗算だけは得意なためか
いちいち円換算をする癖が抜けきらないのが困ったところ。

そのため、物価の高騰ぶりをよりひしひしと感じ、
ため息を漏らしてしまう今日この頃なのです。
多分それはわたしがいまだ、タイに住み始めた頃の、
「とてつもなく物価の安い国」のイメージを
消し去ることができないからなのでしょう。
中でも物価が高くなったことを肌身で感じるのが、食堂や屋台のご飯。
20年前は20バーツだったものも、今や50-60バーツ。
それだけでもすごいのに、円換算をすると、
当時60円だったものが、今や250円と、
とんでもないインフレ率となるわけです。
外に比べればかなり安い学食でもそれは同じで、
わたしが赴任した頃15バーツだったものが、
現在は30バーツになっており、
わざわざ暑い中、生徒たちが作る長蛇の列に並んでまで
利用したいとも思えなくなったのです。
で、たどり着いたのが、
朝昼弁当、夜は家で自炊という、現在の生活。
今年の1学期初めあたりは、弁当を持っていくと、
「すごいねー」と珍しがられたものですが、
今ではたまに外に食べにいくと、
「あれ?今日は作ってこなかったの?」と聞かれるぐらい
ルーティン化しております。
朝、5時40分に起きて自分の分といっしょにパートナー君の弁当を用意する
健気な自分に酔っている節も大いにあるのですが、
今日はお互い忙しい一日になりそう。同じもの食べて乗り切りますわん✌️ pic.twitter.com/9xLHsBSHiV
— バンナー星人 (@berialshunnya) November 7, 2023
この生活が随分と家計を助けているのも確か。
レパートリーを少しずつ増やしていく楽しみもあるので
「弁当男子」ならぬ「弁当じいさん」を
できるだけ続けていこうと思っております。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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