2017年01月28日

縁は空を超えてpart8

高野山大学院での修士論文作成で出会ったタイの「気づきの瞑想」 

指導教官の井上ウィマラ先生に紡いでいただいたタイへの逆輸入ともいえる空を超えた縁 

今週末はついにクライマックス。

3本連続でお届けします。

 縁は空を超えてpart6でお伝えした通り、スカトー寺にてプラユキ師から直接気づきの瞑想の指導を受けることができました。

そして次の日からさっそく実践。

しかし、これがなかなか難しかったのであります。

というのも、僕はもともと、とりとめもなくボーっと考えごとをする癖が強く、はっと気づくと一体どのぐらいの間考え事をしていたのか分からないぐらいということもよくありました。 

実家にいる時は母によく「またボーっとして!」と注意されたものです。

まさに今ここ生活とは対極。。。

なもんで、瞑想をはじめるやいなや、ぐわーっといろんな思いがわいてきます。


まるで無数の思考のボールが心の中をとびまわっているような感じです。

そこで思い出したのがプラユキ師のあのアドバイス。

「瞑想を行っているとそのうちにフラフラと心がさまよいはじめます。そしていろいろな思いが浮かんでくることと思います。その思いに気づいたら手に気づきをもっていきます。この手は昨日の手でも明日の手でもありません。今ここの手です。こうやって手に気づきをもたせられれば、心も今ここに戻ることができます」 

そうだそうだ、思いがわいてくることがいけないんじゃなくて、その思いに気づいたら、それを手放してこの体に戻ってくればいいんだ。。

何も考えるな、という方法では、「そんなことできない!」ってなりますが、考えがわいてきてもそれに気づいて手放すことならできそうな気がしました。

「何分座ってたらいいんだろう?」いらっしゃい思考さん。気づいて手放します。
「晩御飯ないけど体もつかな?」いらっしゃい思考さん。気づいて手放します。
「今晩プラユキ師にどんな質問しようかな?」いらっしゃい思考さん。気づいて手放します。

こういうことを繰り返していくうちに、それまで心の中ではねまわっていた無数のボールがだんだんとその動きを弱めていくような感じがしました。

そしてそれと同時に、鳥の鳴き声や顔をなでる風がそれまでよりくっきりと感じられはじめ、ゆったりとした心持ちになったことを覚えています。

このスカトー寺での経験は、僕の日常生活を変える力がありました。

正しくは、生活そのものが変わったのではなく、生活に対する受け入れ方が変わったのだと思います。

例えば、学校の授業中でも、クラスがざわついていると、昔なら「なんで聞いてくれないんだろう」とか「教師には向いてないんだろうか」といったイライラや負の思考にはまりこんでいました。

今でもそういう思いも浮かぶことはありますが、その思考に気づくと手放し、今やるべきことに戻ることができるようになってきました。

「静かにしろ!」と昔なら声を荒げていたところですが(一瞬静かになっても長期間の効果が得られないことは実践ずみです。。)

今は、スカトー寺での体験を思い出して、手に気づきをもどしてから

「今日もみんな元気やなあ。楽しそうでええやんええやん。でも今から大切なこと言うからちょーっと先生の言うこと聞いてくれるかあ?」

てな感じで接することができるようになりました。

以前は自分の思考にはまりこみそれを生徒におしつけようとしていたのかもしれません。今ここに気づくことで、いったんその思考から距離をとることができるんですよね。

で、結局その心の余裕が今までより生徒との関係を良好にしていくといういい循環を産んでいるような気がしています。

この気づきの瞑想は、日常からはなれてお寺や修行道場でないと行えないものではありません。シャワーを浴びている時、洗濯物を干している時、どんな時でも今ここに気づきをともなわせる修行をすることができます。

日常生活との乖離がないからこそ、日常に大きく役立つ瞑想法だといえるでしょう。

さて、プラユキ師から指導を受けて瞑想実践をしたことによって、いよいよ僕の修士論文もその方向性が固まってきました。

「仏教瞑想による気づきの開発とその現代的意義」

大学院入学から1年をへて、ようやく論文のテーマを見い出すことができたのでした。



スカトー寺に興味を持たれた方、詳細は以下のホームページでご確認ください。

スカトー寺ホームページ
(右下のENTER SITEより英語ページに入れます)

今回もお読みいただきありがとうございました。   押して押して~
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berialshunnya at 11:20│Comments(2)タイ | 仏教

この記事へのコメント

1. Posted by セイス   2018年07月25日 17:37
先ほど、お聞きした件です。ありがとうございます。この記事で、場所がわかりました。
2. Posted by Shun   2018年07月26日 00:12
@セイスさん
コメントいただきありがとうございます。
はい、スカトー寺です。
ぜひ行かれてみてください。

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